[機材レビュー]LUMIX DC-GH6 その2

ペンタしか使ったことがない人のミラーレス日記

前回に引き続き、PENTAXしか使ったことのない人のミラーレス体験日記をお送りする。

今回は、AFと高感度についてレポートしたい。

AFを使いこなせてない・・・

カメラの設定を初期化(工場出荷設定)してから、AFカスタム設定を「設定2」にする。説明には以下のようにある。多分これでいいはずと思い、撮影に挑む。

被写体が一定方向に等速で進むシーンに適した設定です。
例:列車、飛行機

ミラーレスのフォーカスエリアは広い。レフ機では到底届かない場所にもAFポイントを設定できるのは大きなメリットだ。ヒコーキ情景写真を撮る場合、往々にしてレフ機のフォーカスエリア外に機体を置くことが多いので、フォーカスを掴んだあとにフレームをずらすことをしなくてもいい。

さて、LUMIXではAFモードの設定として

  • 追尾
  • フルエリア
  • ゾーン(縦・横)
  • ゾーン
  • 1点+補助
  • 1点
  • ピンポイント(AF-Sのみ)

これだけある。「ゾーン(縦・横)」はEOS Rが出た頃にルークさんが便利に使っていたと言われていたことを思い出す。つまり、積極的に使いたいと思ったモードの一つである。 あとは、ゾーンで大まかに構図を決めて追いかけるか。という風に使い方を脳内シミュレーションして撮影に挑んだ。

鳥取空港への到着機を撮る場合、かなり遠くにいる状態から撮り始める。ファインダーを覗くと以下のような感じだ。

ファインダーを覗き撮り始める

ゾーンで飛行機の配置を決め、AF-Cでゾーン内の飛行機を合わせ続けるイメージで使い始めるが・・・

  • AFが食ったり食わなかったり
  • ウォブリングが激しい(EVF内でもわかるくらいに行ったり来たり)

といった状態で、苦戦を強いられる。AF-Sに変えて合焦させることに集中しても、この大きさだとAFがあったり合わなかったりと若干博打に近い感じになった。 これは、AFモードを「1点+補助」にしてエリアを絞り込んでも対象が小さいと同様のようである。AFカスタム設定でAFエリア切り替え感度を「-2」とした場合、僕の下手くそなフレーミングでAFエリアを若干外しても逃げにくくなった感じはあるので、ひとまずは「1点+補助」で使うことにする。あるいはAF-SでAFボタン連打で逃げるか。また、使っていて気付いた点として「近づいてくる機体に弱い」印象があった。滑走路端で待ち構え、到着する機体を追いかけさせるとかなり苦しい。

また、「ゾーン(縦・横)」を使う場合、滑走路上でタクシングする機体を狙うつもりでゾーン設定しても滑走路周辺の植生や設備などにフォーカスを奪われたりするので、ゾーン上に他の物体がこないシチュエーションでないといけないことがわかった。

ただ、通常走行の自動車を追いかけさせると、飛行機を撮っている時のような挙動にはならないので、自分の使い方が悪いのだと考える。

「AFの設定を追い込む」とよくペンタ以外のメーカを使っている人が言われているがこういうことなのかと痛感する。LUMIXでの最適な設定を是非とも試用期間中に知ることができたらいいなと思う。

次に、被写体認識であるが、LUMIXでは「人」「動物」が対象で実際に飛行機が認識されることはなかった。ちょうど、昨日(8/14)のNH300便出発時に「因幡の傘踊り」で出発便のお見送りをするとのことなので、被写体認識をONにして撮影する。以下のシチュエーションでも傘を持ったスタッフを認識してくれた。

被写体認識された踊り子

当初、苦労しないと思っていたAF周りでここまで苦労するとは思っていなかった。試用期間の半分を過ぎた今も答えが見つかっていない。この挙動が個体差なのか、仕様なのかの判断もできていない。

センサーの素性の良さ

先日、NH297便が大幅にディレイしたので日没後の時間帯で撮影する機会を得た。

本当はマジックアワーの色を期待していたが、雲が多く日没後は早々に暗くなり、高感度テストにうってつけの状態となった。以下はISO12800で撮影したRAW画像をLightroomで処理したものである。(ノイズ除去なし)

ISO12800で撮影

一部を拡大すると以下の通りだ。

一部拡大

ディテールが十分に残っている。以前、K-1とK-1 IIで同様のシチュエーションでの比較テストを行ったことがあるが、それらと比べて遜色ない高感度性能ではないかと思う。MFTのセンサーサイズでは厳しいだろうと思っていたがこの結果には驚いた。センサーの素性の良さを垣間見た瞬間だ。

さて、この盆はなかなか天候に恵まれず、夕陽トップシーズンなのに夕陽絡みを撮れていない。はたしてLUMIXで「fujibaオレンジ」がどう表現されるのか?まだまだ、試せていない状況である。

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T.Fujiba(Toshihiro Fujibayashi)
Aviation Photographer(航空写真作家)

航空写真作家、阪神が試合してる時はうるさいです。

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