【2025年振り返り】病と、AIと、自分自身というボトルネック
12月30日。 facebookで例年恒例となっている一年の振り返りを書こうと思い、過去の「思い出」をたどってみたが、2024年の分が見当たらない。 思い返せば去年の暮れ, 写真展示やテレビ出演といったイベントが重なっていた裏で、突然の腹痛から病気が見つかったのだった。振り返りどころではない、そんな年末だったようだ。
そんなわけで、自分にとっての2025年は、一言で言えば「大変」な年だった。文字通り、大きく変わる一年。
年明け早々の検査入院から手術。波乱の幕開けとなったが、そんな中でも『月刊エアライン』4月号の「ヒコテク」特集の原稿は、自分がどうなるか分からない不安の中、締め切りを1ヶ月前倒して入稿した。手術当日にその雑誌が無事発売されたというエピソードは、今となっては笑い話のようだが、当時の自分にとっては切実な「生きた証」のようなものだった。
退院後、リハビリを兼ねるようにして「fujiba.net」のサイトリニューアルとロゴ制作に取り掛かった。 この時期、レイトマジョリティながら生成AIへの課金を始めたことが、自分にとっての大きな転換点となった。
「やってみたいが、調べたり書き始めるのがだるいな」 そうやって棚上げしていたアイデアたちが、AIとの壁打ちによって次々と具現化し、最初の1ステップを軽々と飛び越えて、動くものとして目の前に現れる。
一言で言えば、「求めていたスピードを得た」という感覚だ。 いや、むしろスピードが出過ぎて、人間である自分自身がボトルネックになってしまうという、未知の体験でもあった。
その加速の中で、いくつかのプロジェクトが生まれた。 機械学習を用いたダスト検知モデル「KlarSky」や、穴守稲荷神社の七福いなりめぐりをDX化した「いなめぐDX」。 さらにはGoogle Drive, Docs, Spreadsheetをフロントエンドにする「tegaki」シリーズ(tegaki-deploy, tegaki-relay, tegaru-press)など、アホみたいに色んなことに手を出した。 年初の大病をきっかけに、「何かを成し遂げたい」という欲求が爆発したのかもしれない。
写真の方も、体調と相談しながらではあるが、細く長く続けてきた。 『月刊エアライン』本誌やWEBへの寄稿、鳥取空港での写真セミナー。そうした活動の中で、改めてファインダーを覗き、仕上がりをイメージしながらシャッターを切る。そんな時間を大事にしたいと、強く再確認した一年でもあった。
生成AIとのセッションから生まれた「いなめぐDX」は、年明け三が日の「羽田七福いなりめぐり」でいよいよ初お目見えとなる。その後も「いつでもいなりめぐり」として楽しめるし、毎月15〜17日の「いなりの日」にはイベントも開催される。ぜひ足を運んでみてほしい。
さて、会社の仕事の方はというと、7月から新規案件の立ち上げ支援に入ったはずが、気づけば「全責任スタック」状態でStuckしている最中だ。
病み上がりにこの活動量は流石にまずい。来年はもう少しセーブしたい…と思いつつも、写真の方のアウトプットはさらに深めていきたいと考えている。そのあたりの具体的な「企み」については、年明け早々にもいくつかお披露目できるはずだ。
2025年、本当に色々なことがあった。 だが、病によって一度強制終了させられたからこそ、新しい技術を素直に取り入れ、新しい自分に書き換えられた。そんな気がしている。
2026年も、AIというパートナーと共に、人間にしかできない、自分にしかできない表現を追い求めていきたい。