額装展示のお辞儀対策治具を開発しました

額、壁面への損傷無しに利用可能なお辞儀対策治具

写真作品など額装品をワイヤー吊りで展示するときにいつも頭を悩ませるのが、いわゆる「お辞儀」。作品が壁と並行にならず下を向いてしまっている状態を「お辞儀」と呼んでいます。よく欄間より高い位置に賞状などを飾るような場合には下に向けないと見えなくなるためにわざとお辞儀させる場合もありますが、目線に近い位置で鑑賞するように展示する場合はお辞儀してしまってるとあまり見栄えが良くありません。

ワイヤーを使わずにフックなどで作品の裏から止める場合は、お辞儀の角度も小さいため、額の下辺にゴム足などを付けて水平に近づけるようにする対策をとることができます。

上底で水平に

ピクチャーレールやパーティションフックから、ワイヤーで吊る場合には、ワイヤーが下される位置が壁面より若干離れることが多く、その場合ゴム足などでの上底をしようにも隙間が大きすぎて上底がかなり高くないと意味がないということもあります。この場合、ワイヤーを額に近い位置で壁面にタッカーで止めてしまう方法がよく用いられます。(下図参照)

タッカー利用
マックス(MAX) ガンタッカ TG-A(N)
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ただ、タッカーを使う場合は壁面がピン打ち可能な材質であること、また、ピンなどを打っても良い場合にしか利用できないという致命的な弱点があります。 自分の場合、まさにこのケースに当てはまり、長年頭を悩ませてきていました。(高さのある上底を使用してもやはりうまくは行かない)

そこでこの度、構想数ヶ月を経てお辞儀対策治具を開発し、現在 鳥取空港フォトコンテスト2022受賞作品展示において長期間(1ヶ月)の実使用試験を実施しています。 本記事冒頭の写真の通り、治具の有無でお辞儀抑制効果は一目瞭然かと思います。(展示作業中に撮影したのでワイヤーがはみ出てるのはご愛嬌)

本記事では治具の具体的な構造には触れませんが、この治具は、HAKUBA社 HFA-03(A3用)に合わせて制作しています。また、この額縁同様な構造(金属フレーム)の額縁であれば寸法を変えて制作することで対応可能であると考えています。特徴としては、元の額縁に対して非破壊で利用可能(ネジ不使用、穴あけなど不要)であること、壁面に対しての接触が発生しないことが挙げられます。

アルミフレーム額縁の標準オプション品になればいいなと思っています。このために導入した3Dプリンタの元を取りたい(爆

HAKUBA 額縁 アルミ HFA-03 A3 アクリル板 シルバー HFA-03SV-A3
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T.Fujiba(Toshihiro Fujibayashi)
Aviation Photographer(航空写真作家)

航空写真作家、阪神が試合してる時はうるさいです。

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