仏画複製にチャレンジ

1ヶ月前の話であるが、仏画の複製をする機会があった。相方がお世話になっている仏画教室の先生が「お寺に寄贈した仏画を手元に置いておきたい。」という希望があるとのことで相談があった。

自分なりに調べて簡単ではないことがわかっていたので「簡単じゃないよ」とは伝えていたが、そのうちにやってみようということになり取り組んでみた。

撮影する対象

孔雀明王の仏画、額装済(ガラス・・・)。
サイズ129 x 93cm。デカイ。

こちらの仏画は、 養源寺さんで見ることができます。素晴らしい作品ですので是非。

方針

額から外さないで撮影する。対象から距離を取るには額を立てた状態が良いがカメラとの平行を出すのが大変なので床面に対象物を置き、俯瞰で撮影する。

この時点で、とっても難易度が高い。なぜ、やろうと思ったのか。

セッティング

撮影対象の大きさと取れる距離から計算すると50mmが限界。できれば70mm以上にしたかったが、仕方ない。そうなると使うレンズは、D FA*50/1.4で。

カメラはブームをつけて真俯瞰になるよう配置。距離取れなかったのでブーム連結したのがなかなか辛いところ。しかし、フェンスクリアするために導入したGITZOの5型ジャイアントがこんなところで役に立つとは(笑

撮影対象は発泡スチロールのブロックを足にして敷いたコンパネの上に配置。コンパネの対角に線を引いてセンター出ししやすくした。まずはコンパネのセンターに合わせてカメラの位置決めをする。

対象物を置いてからは、Image Syncのリモート撮影で対象物の位置を微調整した。撮影もこのままImage Syncから行えばカメラに触らずに撮影できる。

ライティングは2灯で、GODOX AD200Proを使った。フラッシュメータで撮影対象の全体がf/8.0となるよう調整。対象がデカイので傘を使って光を広げた(多分、これがあとでハマることに)

いざ撮影→苦闘

ここまでのセッティングに1時間。あとはうまくいけば15分仕事だろうと思ったら甘かった。

撮影後の写真をiPadに取り込んで確認すると「あれ?こんなシミあったかな?」と指摘が。

よく見ると、シミではなく天井の空調吹き出し口orz
つまり、ド派手に映り込んでました。はい・・・

そこから悪戦苦闘、お寺にあった黒いシート(ビニールでテカるやつ)を応急的に天井に貼り付けるも、テカリが写ったり、黒のパーマセル持ってくるの忘れたため、シートを貼り付ける白のマステが映り込んだりと大変でした。

ブツ撮りスタジオがあるのもそら頷けるわと。というのと、対象物がデカくてソフトボックスでは露出稼げないので傘使ったのも災いしてると考える。光がしっかり天井まで回っちゃってるわけですね。

結局1時間近くやってどうにか撮り終えることができた。

仕上げて納品

あとは自宅へ帰って現像、プリントをする。ちゃんと、チャートも撮ってるので色合わせはお任せで。

写真は表装も入ってる状態と、絵だけにしたもの2種類にしてデータをその日のうちにメールで納品。
プリントも先日無事依頼者へお渡しして、ミッションコンプリート。大変喜んでいただけたようなのでほっと一息といったところ。

最後に

普段よくお話する写真家の方から「複写ができれば一人前」と言う話を聞いたが、ここまで難しいとは。まあ、“デカイ”・“ガラス入り"と言ういきなりハードルの高いやつに取り組んだのは何も知らない素人の大胆さですわな(笑

しかし、今回は大変勉強になった。これで少しはブツ撮りスキルも上がった(ような気がする。)

と言うことで、今度はもっと小さいやつでガラスのないやつお願いしますm(..)m

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T.Fujiba(Toshihiro Fujibayashi)
Aviation Photographer(航空写真作家)

航空写真作家、阪神が試合してる時はうるさいです。

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