ヒコーキ写真テクニック 2021SUMMER

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ヒコテクを初めて買った頃、まさか自分がインプレッション記事を書くとは思わなかった。

今回、PENTAX K-3 MarkIIIのインプレッション記事を8ページにて執筆。文も含めての寄稿は初めてのことである。 撮影現場からのインプレッションとしては、佐々木豊さんのα1と並んでの掲載。昨年のエアライン本誌での写真展特集でも並んでの掲載だったのでなにかの縁を感じる。

これまで、どんなカメラでもバッキバキに仕上げる洲崎氏の独壇場だったPENTAX機のインプレッション、非常にプレッシャーが掛かるが自分の領域とする「情景的ヒコーキ写真」からのアプローチで執筆。

執筆にあたり、作例の撮影をするわけだが、このコロナ禍の状況で諸事情もあり遠征することも叶わないため必然的に地元空港での撮影となる。平常時ですら5便の鳥取空港は一日2便まで減便、夜間の便もないため夜撮はGW期間に数日のみ20時台の便がある米子空港での撮影と相成った。 本来なら流し撮りは夜の伊丹、羽田で数をこなしたいとなるがそこは雨天鳥取での一発勝負にかける。手ブレ補正on/offの両方で撮影をするため練習なしの一発撮りとなるため、1/50secとヘタレた設定で挑んだ。夜の米子も着陸機をと狙うもロゴライトが点灯していないというオチで作例としては使えず、次のチャンスはさらなる減便で時間切れとなってしまった。

インプレッション記事で便数の少ないローカルで作例というのは無謀だったことを痛感した。一日も早く好きなときに好きなところに行けるようになってほしい。

今回の記事ではK-3 MarkIIIのインプレッションであると同時に、ペンタックスの機材で楽しむヒコーキ写真に触れてもらうべくレンズもできる限り振って作例を揃えた。10-17FishEye, 11-18, 16-85, 70-200, 150-450, 560, 560x1.4と魚眼・超広角からフルサイズ換算1,176mm相当と幅広く押さえたつもりである。

また、Adobe Camera RAWが出ていないこともあったが、カメラの素の絵作りを体感してもらうためにも、どうしてもうまく仕上げられなかった雨天流し撮り以外はボディ内現像で仕上げた。特にカスタムイメージ「リバーサルフィルム」は変更できるパラメータがシャープネス以外ない仕様であるため完全撮って出しの状態である。見開きの作品がこれである。見開きの作品はこれまでの機種だとほぼ間違いなく機体のシルエットが真っ黒になるのだが、K-3IIIでは見事にシャドウが残っている。これはまさにプリントで威力を発揮するだろうと感じている。

次に誌面ではレイアウトの都合上、トリミング画像での紹介となっていたが低コントラストで小さな被写体の合焦例の写真をトリミングなしで紹介する。

この状況では過去の機種は永遠にAFが迷い続けるケースであり、本当に衝撃を受けた出来事であった。

と、少しばかり記事の裏側の話や、補足をしてみた。

実際に本誌が発売されて、他の記事を読むにつれ、自分の記事の拙さが猛烈に目立ってしまった。広角で太陽を入れた作品ではトーンジャンプが出るなどやってしまったところもあるし、やはり、他と見比べてもパッとしない作例になったようでPENTAXの作例・作品を期待していた人に大変申し訳無い気持ちでいっぱいである。

これまで作例紹介されていた洲崎さんとの落差にがっくりされた方も多いと思う。次のチャンスがあるならより良い作例、記事を提供できるよう精進したい。

最後に、レイアウト上ボツとなった作例を2点紹介する。

ヒコーキ写真テクニック 2021SUMMER (イカロス・ムック)
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T.Fujiba(Toshihiro Fujibayashi)
Aviation Photographer(航空写真作家)

航空写真作家、阪神が試合してる時はうるさいです。